WBAコンサルタント 木村 篤
事前準備の1つ目として、まず自社の経営資源を確認し、海外展開に必要な資源がどの程度揃っているかを確認します。
経営資源とは主に次の4つがあります。
- ヒト:海外展開に携わる人材が揃っているか
- モノ:展開する製品は十分競争力があるか
- カネ:海外事業に投資できる資金は十分か
- 情報:進出検討先の市場の情報は揃っているか
いかがでしょうか。
英語が話せる人材がいない、検討している国のニーズが十分把握できていないなど、これらの経営資源が全て十分に揃っていることはまずないでしょう。
でも大丈夫です。
大企業ですら全て十分に満たしていることは少ないのです。
大事なのは、今持てる資源をどのように配分し、不足している資源をどのように補うかを検討していきましょう。
例えば、
- 貿易実務ができる人材がいない場合は、専門家に委託できます。
- 資金が不足している場合は、補助金を活用できます。
- 市場の情報収集は、インターネットからでもある程度は収集できます。
- こうすることで、持てる経営資源を、現地ニーズに沿った製品開発に当てることができます。
自社だけで補えない資源は、外部のパートナーや補助金をうまく活用していきましょう。
事前準備の2つ目として、全体計画の時間軸をイメージしましょう。
海外展開は、少なくとも1年以上での計画が必要です。
下の計画表は、海外現地法人設立までの一般的なスケジュールです。
このブログでお伝えした内容は、スケジュール表ではまだ一番上の初期段階になります。
最終的な現地法人設立というゴールまでは、さまざまな段階を踏んでいかなくてはならないことがお分かりと思います。
とりあえずまずは輸出からとお考えの企業様も多くいらっしゃいます。
その場合でも、心構えから事業計画書の作成までは必要です。
これらの手順を十分に踏んでこず、勢いで進出してしまったという企業ほど、海外展開に失敗してしまってたという例を多くみてきました。
大変重要なステップであることを、まずはお分かりいただければと思います。
ここまでイメージしていただけましたら、次は「戦略立案」について検討していきます。
③戦略立案については、次号以降でお伝えしていきたいと思います。